コラム

子供の運動能力・体力低下が起こす本当の危険

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子供の運動能力低下、体力の低下が問題視されている近年ですが、スポーツ省が実施した「令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」によると、特に小学生男子の体力合計点が下がっており、平成20年度の調査開始以降、過去最低の数値であり、実際に数値として現れております。

運動能力・体力低下 何が問題?

【生活習慣病の発症】

小・中学校、高等学校の学校医に対する調査(2001年)によると、子供の健康問題で最近著しく増加しているのが「生活習慣病」です。

また「肥満」が急増中という結果も出ています。今や11歳児の10人に1人が肥満傾向にあり、肥満傾向児の数はこの25年間で約2倍に増え、今後もますます増えていく可能性があると言われています。

肥満は生活習慣病になりやすくなりますし、今は症状がなくても密かに進行し、大人になって突然発病するリスクも抱えます。

ただ、肥満を危険視するあまり見た目だけの「痩せ」を気にすることも危険です。成長段階にある子供の食事による無理なダイエットは、成長障害、貧血、冷え性、ホルモン異常などの健康障害を招く危険性もあるからです。

【体格はアップ、体力はダウン】

今の子供はお父さん、お母さんが子供だったころよりも背が伸びて体格がよくなっています。しかし、体力は1985年ごろを境にして現在まで低下が続いています。

今の子供達がこのまま成長しても、今の大人たちと同程度の体力までとても達することができないのではないかと言われています。

生活を営み、家庭を支え、日本を支えるべき年齢になった時に体力が持たず、健康を維持できないのではないかと思うと恐ろしいことです。
将来的な不安ももちろんですが、すでに子供たちに起こっていると報告のある体の異変を下記にまとめてみました。

【すでに子供たちに起こっている体の異変】

・アレルギー
・すぐ「疲れた」という
・授業中じっとしていられない
・歯並びが悪い
・視力が悪い
・皮膚がカサカサ
・ぜんそく
・体の異変や痛みなどの症状の説明ができない
・平熱36度未満
・これまでの常識では考えられない理由での怪我
・自身の体のコントロールができない

原因はどこにあるのか?

子供の運動能力・体力の低下の原因は以下のように考えられています。

・外遊びやスポーツの重要性の軽視など国民の意識の低下

・子供を取り巻く環境の問題

・生活が便利になるなど生活全体の変化

・スポーツや外遊びに必要不可欠な要素(時間、空間、仲間)の減少

・生活習慣の乱れ(夜更かし、食事など)

実際にはこれら以外にも様々な要因が影響を与えていると考えられますが、特に環境の要因(時間、空間、仲間)を確保することが難しくなっていることが大きな影響を与えていると解釈できるでしょう。

公園から消えた遊具、空き地や広場の減少、コロナウイルス感染症による外出制限、自粛、習い事による時間の圧迫など。

運動能力、体力の向上のためには


勉強でテストの点数を向上させるように、体力テストの成績だけを向上させればよいという単純な問題ではないことが、ここまで読んでいただいた方はお分かりいただけたと思います。

子供たちがより良い将来を切り開いていくためには自身をコントロールし、毎日を活力的に生きるための本当の意味での「体力」が必要不可欠です。

10代後半をピークに減少していく傾向にある体力、筋力の最大値を効率よく伸ばせるのは子供の頃の運動経験だということを大人は理解する必要があります。

しかし、学校・幼稚園などの教育機関からのアプローチには限界があることは明らかであり、家庭や地域を巻き込んだ取り組みを模索していかなければなりません。

と、ここまでは広く使われている当たり障りない表現。

大人にも子供にも指導するコーチとして本音

ジムの経営を通して普段から大人クラス、子供クラスの両方を指導している私の見解は
「まず大人が理解しなければ子供の運動機会を奪い続ける」です。

「正しい運動習慣」がどれだけ生活を豊かにしてくれるのかを体験していない大人が机上の空論で子供に伝えても伝わるわけがない。

全体を重んじるばかりで常に受け身、守りの姿勢の教育機関

「危ない」「クレームがきた」という理由だけで公園から子供に本当に必要な遊具を撤去し続けている行政

他人に期待し文句を言う前にまずは親であるあなた自身が経験し、自身の子供に伝えてください。

保身ばかりの教育現場の大人が本当に子供達の将来に責任を持ってくれると思いますか?もちろん全ての教育者がそうであるとは思いませんが、その大多数が見ているのは子供の将来ではなく保護者からのクレームや問題が起こらない明日と、大会で上位に食い込むという数年先の栄光です。

当ジムのキッズクラブの子供たちは、クラスで習ったことを自ら自宅で練習してくる子が多くいます。ゲームやYoutubeなどをする時間に自ら運動することを自然に選んでいるのです。

それはそうなるようにクラスをプログラムし、熱意をもって届けているからです。

受け身の体力づくり、運動習慣ではなく、自らが楽しい、必要だと子供たちが思えるように考え抜いて大人である私たちが環境を作っているからです。

※2020年10月16日現在キッズクラブの定員は満員です。空き次第のご案内となるご予約を受付中です。
https://jgym81.com/news/609

周りの大人が環境さえ作ってあげれば、子供たちは自ら運動を好きになって遊びの中で楽しく体を動かすことを自然と行っていきます。

「子供は遊びの天才」ですから。

その能力を奪っているのは大人だということをお忘れなく。

「うちの子は全然運動しなくて」という方はまずご自身の運動習慣を振り返ってみてください。

以下のことを子供に直接伝えられない大人は今すぐ運動を習いにいくべきです

・運動の楽しさと重要性

・何も物がない場所で体を動かす遊びを提案できる

・公園の遊具の使い方とその効果

・子供が危険なところで遊んでいるときにただ制止するのではなく、なぜ危ないのかを正しく子供に伝えられる、もしくは危なくない遊び方を教えることができる

・転び方

・怪我をした時の正しい処置判断

・子供の体の痛みに対して原因をある程度推測できる

・子供の現在の運動能力に関して優れている部分、足りない部分を見ることができる

・正しいダイエットの方法

運動に苦手意識がある方は苦手な内容もあったかと思います。
しかし、昔よりもさらに運動機会を失っている子供たちがこのまま大人になったら、現在の大人よりもさらに深刻な体力不足、運動不足に陥ることは容易に想像できるかと思います。

運動に楽しく取り組める環境を子供に提供するためには自らの経験を通して見てあげることができる感性が必要です。なぜなら、子供は大人の共感や理解を必要としているからです。

もし子供にスポーツを好きになってもらいたい、生涯を通じて健康で活力のある生活をしてほしいと願うならば、まずは親であるあなた自身が運動を好きになれる環境を見つけて、健康的で活力的な生活を手に入れてくださいね。

大人よりも本質を見抜くことができる子供に、上辺だけの言葉や行動は響きませんから。

たとえ自身の子供であっても相手はコントロールできません。コントロールできるのは自分自身のみです。


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